ウェブはバカと暇人のもの

書店でタイトルを見て気になっていたところ、
同僚が持っていたので借りて読みました。
(その後、すでにAmazonさんに発注していたことが発覚 orz)

刺激的なタイトルなので、ユルい本のように思いがちですが、
内容は至極まっとうなWebについてのお話。

梅田望夫さんの「ウェブ進化論」の例を持ち出すまでもなく、
Webの世界について”Web2.0”などといったようにような
夢のような可能性ばかりに光が当たっていますが、
それを著者は「一部の賢い人」だけのものと語っています。
Webの大部分はバカと暇人が占めており、
日々、芸能人ブログの炎上や、一部クレーマー起因による規制など、
Webの浪費が大部分なのだということを、具体的な事例をもとに説明されています
また、企業が期待するような「Webマーケティング」「バズマーケティング」は
幻想に過ぎないと、ばっさりと斬り捨てています。

ボクのいる部署は、Webを使いこなしている「賢い人」が多いので、
普段あまり気にしなかったのですが。
思えば確かにそのとおりで、ボクが家で見るようなWebサイトは、
2ちゃんねるやまとめサイト、有名人のブログといったような、
いわゆる「暇つぶし」サイトばかり。
GoogleやYahoo!で調べ物をしたり、Amazonや楽天で買い物をしたり
という使い方はいろいろな人がしていると思うのですが、
いわゆる「Webでしかできない」ということをしているという人は、
実はほとんどいないように思います。

Webは万能ではなく、「これはWebに合うな」と考えて利用することが
必要なのだと、あらためて突きつけられました。
きわめて当たり前なことではあるのですが、
特に、Webの世界で仕事をしているボクのような人にとっては、
顔に冷や水をかけられたような思いです。

挙げられる事例が極端で、わかりやすい反面、
話半分で読んでおく部分もあると思うのですが、
心に留めておくべき内容だと感じました。
「Webのことはよくわからないんだけど、なんかすごそうだ」と思っている人にも
ぜひ読んでもらいたい一冊です。

あと、本論とはあまり関係ないですが、
「田代砲」(知らない人はGoogleで調べてください)という言葉を
活字で久しぶりに見ました。軽くマイブーム。

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ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)
中川淳一郎
光文社
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