空気を読むな、本を読め。

書評ブログで有名なアルファブロガーである、小飼弾氏。
本書では、「本は水のようなもの」と言い放つほどの読書家である小飼氏の、
本の選び方、読み方、そしてアウトプットの方法について、
その豊富な経験をもとにした、独自の読書法としてまとめられています。

速読といった読書のテクニックが語られているわけではありませんので、
そうした内容を期待する人には不向きかと思います。
どちらかと言うと、読書を通して、その体験をいかにして自分の血肉にするかという
考え方が述べられています。

なるほどなあ、と思ったのは、「ノンフィクションは構造で読む」
「フィクションは旅である」という部分です。
今まであまり気にしたことはなかったですが、たしかに読み方はかなり異なります。
また「本はジャケ買いではなく、目次で選べ」というのも、当たり前のことではあるのですが、
最近、タイトルで読む本を選んできたように思うため、改めてはっと気付かされた部分でした。
どちらかと言うと自分の読書体験はノンフィクションに偏っていると思うのですが、
「フィクションは作家で選べ」というアドバイスは、ぜひ実践してみたいと思いました。

「エロ本も読め」「クソ本も糧になる」など、やや突飛な論もあり、
すべてを受け入れることは難しいかもしれないのですが、
「読書」という体験についてポジティブに、そして大きなきっかけになるのでないでしょうか。

また、個人的には、巻末の小飼氏の選ぶ最強の101冊がとても役に立っています。
自分で選ぶとどうしても興味に偏ってしまうのですが、
このリストから新たな読書のきっかけができそうで、新たな楽しみができました。

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空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 (East Press Business)
小飼 弾
イースト・プレス
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