ゴールデンスランバー

昨日の映画の日(毎月1日は映画が1000円で観れるのです)を利用して、
「ゴールデンスランバー」を観てきました。

「ゴールデンスランバー」については、もはやあまり説明もいらないと思いますが、
宝島社「このミステリーがすごい!」の2009年版第1位にも選ばれた、
伊坂幸太郎さんの小説を原作とした映画です。
映画の舞台の仙台は、実際に伊坂さんが住んでいる場所なのだそうです。
(余談ではありますが昨年秋に仙台に行った時に、観光バスガイドさんに
映画を撮影していた、と言う話を聞いたのですが、この映画のことでした)

ストーリーは、堺雅人さん演じる平凡で人を疑うことがない好青年が、
何故か首相暗殺の濡れ衣を着せられ、警察から逃亡する、というもの。
基本的に逃げているだけではあるのですが、
「オズワルドにされるぞ」などというセリフがあったり、
背後に巨大権力(作中でははっきり示されてはいませんが、
状況証拠から、それが誰なのかはわかります)の姿が見え隠れするなど、
ケネディ大統領暗殺事件のような陰謀劇が水面下で交錯し、
まさに現場に立っているような緊張感があります。

警察との腹の探り合いのスリルやアクション、
スピード感がある展開、というのももちろん魅力なのですが、
この映画の影の主題とも言えるのが「信頼」。
大学時代のサークル仲間や元カノなどの仲間たち、
さらに、さまざまな伏線が絡み合う中で出会ったちょっと変わった人々が
主人公青柳を「信頼」し、協力してくれる、というのが
「世の中悪いことばかりじゃない」とほっとさせてくれます。

主演の堺雅人さんと言えば、ドラマ「トライアングル」では、
あからさまに怪しい実業家役を演じていましたが、
今回の「人のいい、でも芯が通った青年」と
まったく違った役柄で、すごい演技力だな、と思いました。
また、追いかける警察側として香川照之さん、
大学時代の友人役として竹内結子さん、吉岡秀隆さん、劇団ひとりさんなど、
実力派がそろっており、骨太な作品に仕上がっています。
(ただ、ときおり出てくる大学時代の回想シーンでは
さすがに年齢的に無理があるような気がしますが…)

ただ、ちょっと気になったのがラストについて。
確かに、伏線を完璧に収束させており、すごく納得感があるのですが、
個人的には、うーん?という感じでした。
ビートルズの「ゴールデンスランバー」との関係もいまいちよくわからなかったし。
(これはボクの知識不足のだけかもしれませんが)
小説でもオチに賛否両論あったと聞きますが、なんかもっとハッピーなエンドがあっても
よかったのではないかな?と思ってしまいました。

とは言え、全体としては派手さもあり、緊張感や緻密な伏線のあるストーリがあり、と
時間がたつのを忘れるほどのめりこんで観ることができて、すごくおもしろかったです。
どんな人にでも、自信を持ってオススメできる映画です。

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斉藤和義さんの音楽がまたすばらしい!
エンディング曲は、世代的に涙モノですよ。ホントに。

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