ワシントンDCバスツアー。

ワシントンDCはそれほど広い街ではなく、
メトロ(地下鉄)も便利なので、歩きまわることもできるのですが、
歴史とかを教えてもらえた方がいろいろと楽しいかな、と思い、
バスツアーに参加してみました。

アメリカ最大のUnion駅からスタートです。

まずは、スミソニアン地区周辺にある官庁街へ向かいます。
道すがらガイドさんが、いろいろとアメリカの政界に関する基礎知識を教えてくれます。
・上院議員は日本の参議院にあたり、任期は6年。
 各州から2人ずつ選出されるので、全部で100人。
・下院議員は日本の衆議院にあたり、任期は2年。
 偶数年が選挙の年なので、トヨタ問題とかいろいろと取り沙汰されている。
などなど。

ワシントンDCの中心に位置する、国会議事堂。

まずは、官公庁の中心の国会議事堂へ。
国会議事堂の上にある像は自由の女神(the Statue of Freedom)は、
独立したイギリスの方角をにらむべく、立てられているのだそうです。
大きさは、リンカーン記念堂のリンカーン像と同じくらいとのことでした。
また、近辺の警官はテロ対策(911というよりも、麻薬常習者によるテロ)で、
軍用マシンガンの所持が許可されているそうです。おっかねぇ。

続いて、オバマ大統領がパレードを行ったペンシルバニア通りを走り、
ホワイトハウスに向かいます。

泣く子も黙るFBI。モルダー捜査官はもちろんいない。

FBIは4年制の大学を出ていれば入ることができるそうなのですが、
捜査官になるには2年ほどの訓練が必要になるらしいです。
その際、学部はあまり関係ないらしく、
経済学部卒であれば経済犯罪の、芸術系であれば似顔絵の作成など
それぞれの専門を活かして、いろいろなプロフェッショナルの捜査官がいるそうです。

再び、ホワイトハウス。

ホワイトハウスに入るクルマをチェックするのは、なんと犬。
ストレスで鼻が効かなくなることがないように、専用のクルマと運転手が用意されているそうです。

意外だったのですが、大統領は実際にここに住んでいるそうです。
なので、大統領のお子さんはここから学校に通うことになります。
大統領が移動する際には、ナンバーが1番のクルマで出るらしいのですが、
同じようなクルマが何台かあって、影武者が乗っていることもあるそうです。
なんだか、戦国時代みたいだ。

また、掲げられている星条旗は毎日交換されるそうです。
(使用後の星条旗は希望者にプレゼントされる人のこと)

ちなみに、ホワイトハウスを出発するくらいに、なんだか警備がものものしくなりました。
オバマさんが帰ってきたのかな?

その後、ポトマック川をこえてアーリントン国立墓地に向かいます。
アーリントン国立墓地は、もともとは南軍のリー将軍の敷地で、
軍人など、アメリカに貢献した(または殉職した)人が
埋葬されることを許されるのだそうです。
なお、費用はほとんどかからない(20ドル程度)らしいです。

ダラスでのパレード中、凶弾に倒れたJFKの墓。

JFKことケネディ元大統領とその家族の墓もここにあります。
大統領在任中の殉職ということで、丘一つJFKの墓という特別待遇です。
ちなみに、灯された炎は「永遠の火(Eternal Fire)」と言い、
大統領としてやり残した情熱を表現しているのだそうです。

ペンタゴンって言われないと、ただの壁にしか見えません。

国防総省、通称ペンタゴンですが、駐車場周辺では写真撮影が禁止されています。
(ペンタゴン警察はヒマらしいので、見つかると喜んで(?)逮捕されるとのことです)
ただし、これは建物の撮影がどうこうと言うよりも、
職員のクルマのナンバーを撮影して、そこから個人情報を割り出されることで、
家族が誘拐される、みたいなことを想定しているためのようです。

なお、最大の省庁ビルであるペンタゴンですが、もともと病院として設計されていたため、
端から端まででも7分で移動できるようになっているようです。
また、内部はエレベーター等がなくスロープになっているため、
電気自動車やセグウェイなどでも移動ができるとのことです。
また、例の911のテロに遭った部分はすでに修復されていますが、
壁の色がうっすらと異なっているため、何となく場所がわかります。

ツアー参加者たっての希望で硫黄島記念碑へ。

嵐の二宮和也くんも出演していた、映画「硫黄島からの手紙」でも一躍有名になった
海兵隊戦争記念碑(硫黄島記念碑)です。
こちらは、硫黄島占領時に旗を掲げた5人の兵士の写真をもとに像が作られたそうです。
この旗はいったん掲げられたあと、アーリントン国立墓地に運ばれるとのこと。

国民的英雄リンカーンの記念堂。重厚な白亜の建物です。

再び、ポトマック川を渡ってリンカーン記念堂へ向かいます。

リンカーン記念堂は民主主義の元祖であるギリシャの神殿を模して作られていますが、
柱は36本と、リンカーン暗殺時でのアメリカの州の数を表しています。
なお、上部にはアラスカとハワイを除く48州の名前が刻まれています。
アラスカとハワイの名は、記念堂の床に刻まれているらしいのですが、
残念ながら見つけることができませんでした。

リンカーン像は今も国会議事堂を見つめています。

リンカーン像の高さは約5.8メートル。立ち上がると8.5メートルにもなるそうです。
左右には、有名なゲティスバーグ演説などの文章が彫り込まれています。
(例の「人民の人民による人民のための政治」ってやつ)
なお、リンカーンは日本では「奴隷解放の父」として有名ですが、
アメリカでは「南北戦争を集結させた英雄」として名を馳せているようです。

この後、ツアーバスは日帰りでニューヨークに戻る人のためにユニオン駅に戻るのですが、
スミソニアン博物館群に到着したところで、バスを下ろしてもらいました。

「スミソニアン博物館」という名前から勘違いしていたのですが、
スミソニアン博物館群は19の博物館から成り立っているそうです。
また、これらの博物館は大部分が税金で運営されているため、無料で見学できるのが嬉しいです。

スミソニアン博物館群最初の建物「キャッスル」。

まずは、情報センターの通称「キャッスル」へ向かいます。
ここでは、スミソニアン博物館群についてのいろいろな情報を得ることができます。
インフォメーションの案内係はボランティアらしいのですが、
英語がそれほどうまくないボクの質問にも、懇切丁寧に答えてくださいました。

歴史的に名高い、リンドバーグの「スピリット・オブ・セントルイス」。

スミソニアン博物館の一番人気といえば、やはり航空宇宙博物館。
ライト兄弟のフライヤーから、アポロ11号、ゼロ戦、超音速ジェット機など、
飛行機と宇宙に関する展示が並んでいて、男子ならきっとわくわくします。
また、「月の石」にも触れます。実際には、正直ふーんってくらいの感じですが。

国立自然史博物館はドーム型の建造物が特徴。

続いて国立自然史博物館へ。
ここは「地球」をテーマに、さまざまな生物の化石や鉱物などが展示されています。

見つめていると吸い込まれそうになります。

ここでの注目はやはり呪いの宝石としても名高い「ホープ・ダイヤモンド」。
ルイ16世やマリー・アントワネットなど、
歴代の持ち主が次々と非業の死を遂げた逸話が有名です。
最近では、「黒執事」でも登場していましたね。

メトロポリタンミュージアムに匹敵する広さ。

さらに続いてナショナルギャラリー(国立絵画館)へ。
ここは、厳密にはスミソニアンには属していないそうですが、無料で見学できます。

時間がなかったのであまり見学できなかったのですが、
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画などが展示されています。
これまであまり絵画には興味はなかったのですが、
アメリカでいろいろな美術館を回ったおかげか
素人ながら構図や塗りなどにいろいろな特徴があり、少しずつおもしろくなってきました。

夕暮れが美しい、ワシントン記念塔。

最後に、ワシントンの象徴とも言うべきワシントン記念塔。
全米でも最も高い石造りの建造物なのだそうです。

いや、ガイドさんがいろいろとワシントンDCについてのトリビアを話してくれて、
いろいろと勉強になり、おもしろかったです。
バスツアーはラクに観光地を回れるのももちろんですが、
こうしたガイドさんの解説を聞けるのが、いちばんのメリットだと思います。

さて、明日はアメリカ横断の最終地点、ニューヨークに向かいます。