イヴの時間 劇場版

1日の映画の日ということで、2本映画を観て来ました。
まず1本目は「イヴの時間 劇場版」
東京近辺では池袋でしか上映していないので、
モーニングショーの時間にあわせて行きました。

「イヴの時間」はもともとインターネットで公開されていた
15分ほどのオムニバス・アニメーション作品を劇場用に再編集した作品です。
映像の美しさと、作りこまれた世界観で話題となっておりました。

舞台は、おそらく近未来の日本。
「ハウスロイド」と呼ばれる、家庭用アンドロイドが実用化されている世界です。
「人間とアンドロイドを区別しない」という奇妙なルールを掲げる喫茶店で、
それぞれの常連客たちとのエピソードが交錯してゆきます。

最初は「誰がアンドロイドなのか」という部分に注目してしまいますが、
主人公の人間リクオの目線で「イヴの時間」での出来事を体験する中で、
人間とアンドロイドがお互いを分かり合おうとする姿が描き出され、
別に人間でもアンドロイドでもいい、という気持ちになっていきます。
実際、最終的に人間なのかアンドロイドなのか、明確にならない登場人物もいます。
(何となくはわかりますが)

個人的に、この映画を見て感じたのは、自分で、または世間が勝手に決めた
視野で見てしまうことで、何か大事なものを見落としてしまっているのではないか、
ということです。
最初、主人公リクオも、その友人マサキも、相手がアンドロイドである、という
視野とらわれて、彼らの想いを素直に受け取れません。
しかし、「イヴの時間」での時間の中で、「アンドロイド」という条件取り払ってみれば、
それは「家族」であり「友人」であり「恋人」である、ということに気がついていきます。

偏見や世間の声にとらわれることなく、自分のアタマと心で本質を捉えることの
難しさと大切さを、改めて提起されたように感じました。
映像の美しさ、作品としてのあたたかさと、アニメーション映画としてのクオリティも
抜群に高く、何度でも見直したくなるすばらしい作品です。

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