僕が2ちゃんねるを捨てた理由

こちらも2ちゃんねるの初代管理人、ひろゆきこと西村博之氏の著書。
昨日エントリーした「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」の続編と言える本です。

この本も前作同様、ひろゆき氏がネットビジネスやメディアなどの
「インターネットのバラ色の未来」について、
時に鋭く、ときにのらりくらりと現実論を展開していきます。

また、今回の本で注目されるのは、表題にもあるとおり
「なぜ、ひろゆきはパケットモンスターという、上段のような名前の会社に
2ちゃんねるを売却したのか」というところかと思います。
訴訟対策などとも言われるその理由について、
この本の中で、かなり具体的な例とともに語られているのですが、
やはりひろゆき流にのらりくらりとかわされ、
わかったようなわからないような、といった感じです。

あわせて、ひろゆき氏が取締役を務めるニワンゴが
「ニコニコ動画」というサービスを開始した経緯なども、
かなり詳しく書かれています。
こちらは、2ちゃんねるで新しいネット上でのコミュニケーションを提示した
ひろゆき氏らしい考えでもあり、個人的にはかなり納得でき、
同時に「うまいこと考えるなー」という印象でした。

前回は小飼弾氏など、ネット全体に関する対談が掲載されていましたが、
今回は電波少年のT部長としても有名な土屋敏夫氏と「コンテンツ」について対談しています。
長くコンテンツの新しい可能性を提示してきた土屋氏と、
斬新なアイディアでコンテンツビジネスに切り込むひろゆき氏が
お互いにリスペクトし合いながら意見を高めており、大変読み応えがあります。

あとがきによると、「ウェブ進化論」の梅田望夫氏との対談も構想にあったそうです。
ネットのバラ色の未来を論じる梅田望夫氏と、「超」現実主義者のひろゆき氏の対談は
ぜひとも見てみたいです。

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