YouTube革命

最近Googleに関する興味が再燃しており、関連の書籍をいろいろと読んでいます。
その中の1冊がこの「YouTube」革命です。

この本が発行されたのは2006年。
YouTubeがちょうどGoogleに買収された頃に出版された書籍です。
当時は「著作権侵害の温床」とまで言われていたYouTubeを
なぜ、ネット界の巨人であるGoogleは買収したのか、
といった切り口から、「映像」のコンテンツとして可能性を、
Webならではの視点で論じています。

著者はビデオジャーナリストとして知られる神田敏晶氏。
少し前には、都知事選にも立候補されていました。
インターネットの黎明期から、インターネットと映像の親和性に可能性を感じ
関わり続けてきたといこともあり、古いことから新しいことまで、
多岐に渡った話題で飽きることがありません。

少し前の本ですので、いわゆるWeb2.0的な
映像のコンテンツとしての活用に関する考察が主になっており、
正直物足りない内容なのはやむを得ないことかと思います。
ただ、驚くべきは、その考察がほとんど外れていないこと。
テレビ業界とYouTubeの棲み分け、そして当時は影も形もなかったであろう
ニコニコ動画のような、ユーザ参加型の映像コンテンツの登場も
示唆しているのは、正直驚きです。

CGMなどのWebサービスに関する知識がある人にとっては
それほど目新しい内容はないかと思います。
ただ、映像という分かりやすい題材で説明されており、
また、YouTubeに関する説明もかなり丹念に、分かりやすく書かれていますので、
入門書としてもオススメできる一冊だと思います。

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