韓流経営 LINE

今や必須のコミュニケーションツールになっているスマートフォンアプリ、LINE。
純和製アプリと言われつつ、実は韓国発祥であるとの噂は囁かれ続けています。
本書は、元週刊ダイヤモンドの記者たちが、こうした知られざるLINEの裏側について迫る内容になっています。

結論だけすごく乱暴にまとめてしまうと、LINEは天才韓国人エンジニアが作り上げ、
「和製アプリ」としてブランディングされた、と言っていいのかもしれません。
本書では、記者たちによるインタビューや取材などを通して
「表向きのLINEの出自」と「実際のLINEの出自」について、論が積み上げられています。
それぞれの事実と、そこから導き出される結論には説得力があり、納得感が高い内容です。

僕個人としては正直なところ、どこの国の企業が開発しようが便利であることには変わらず、
あまり気にはならならないのですが、人によっては衝撃的な内容かもしれません。

だだ、僕はそれよりも、カカオトークやWhatsAppといった競合アプリとの熾烈なシェア争いについての
エピソードにとても興味を惹かれました。
本書は暴露話の側面も一部あるのですが、成功アプリの清濁併せ持つドキュメンタリーストーリーなのだと思います。
帯にも書かれている上場に関するウルトラCの話なども含め、短期間で覇権を取った商品の
水面下での生々しい動きについては、映画を見ているような熱が感じられました。

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韓流経営 LINE (扶桑社新書)
NewsPicks取材班
扶桑社 (2016-07-02)
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